着物って、七五三、成人式、結婚式など数えるほどしか着たことがありませんでした。祖母がよく着物を着ていたのと、母が一時期着付を習っていたことくらいしか身の回りでも着物に接する機会がなく、自分で選んで浴衣を着たことすらありませんでした。 着物は苦しくて動きにくくて高価で樟脳のにおいがするものというイメージ…。
だけどある時から急に着物に興味を持つようになりました。1つは、折り紙や人形の着物を作るのにハマって、あれこれ着物について調べるうちに自分でも着てみたくなったというのがきっかけです。
- 1つの反物からパーツを切り分け着物に仕立て、ほどけばまた1つの反物に戻るという無駄のなさ
- 四角い布を人の身体に沿わせて着るという発想の斬新さ
- 襟や帯周りや足元など、色や素材やモチーフで演出できる季節感
などなど、着物ならではの面白さがたくさんあるのです。それになんと言っても、着物が普段着であった時代のように、高価でなく洋服感覚で自分の好みで着られる着物があるということを知ったからでした。普段着着物の楽しさを書いた本を読んだり、YouTubeの動画を見たりするのも参考になります。自分で小物を手作りするのも楽しいです。
着物というと敷居が高い…よく聞くのが、呉服屋さんでぐるぐる反物を巻かれて高い見積書を出され、店員さんに囲まれる…とか、着物のルールを押し付けたり着方を直そうとしてくる「着物警察」という人たちがいる、とか。私も怖い呉服屋は1件体験しましたけど、そんなお店ばかりではないです。それに着物着てるとほめられることが多いですよ。
「木綿着物」とか「普段着着物」を扱っているお店であれば、入りやすいことが多いですし、リサイクル着物店も良いお店を見つけると頼りになります。まずはネットで下調べをするのがおすすめです。
自分で着られるようになれば、サイズの微調整は着付で可能です。 親や親戚に譲ってもらうのももちろんいいと思いますが、私の場合は親が持っているのがきちんと感のある着物ばかりだったので、自分で気軽に着られそうなものを手に入れました。自分で選んだものはやっぱり着るのが楽しいです。
ところで私が着物を着ようとして、大きな壁となったのは持病で「お腹が張る」ことでした。着付けをした後にお腹が膨れて具合が悪くなっても、紐で締めていたらどうにもなりません。「習った通りの着付ではなく、私なりに苦しくない着付にたどり着く必要がある」と思いました。